フランスのグランゼコール（Grande École）について在学生が徹底紹介します。
私が通っている学校は、フランスのビジネス系のグランゼコールです。グランゼコールはフランス独自のシステムで、普通の大学とは違うのです。大学みたいだけど、大学とは違う・・・ちょっと謎なシステムがフランスにはあるのです。
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グランゼコールとは
フランス独自の高等教育機関で、「高度専門職業人の育成」を理念としています。大学は、教養としての学問や教育を目的としており、グランゼコールとは理念が異なります。
理念が異なるから何？という感じですが、簡単に言うと、「グランゼコールは、大学より格上でエリート」とみられているようです。グランゼコールは分野別に分かれており、政治系、商業系、理系などがあります。
グランゼコール出身者には著名人が多くいます。例えば、オーランド大統領、シラク大統領はグランゼコールの一つであるパリ政治学院（Sciences-Po、シアンスポ）の出身です。マクロン大統領もシアンスポ出身です。
私の通っている学校は、アクセンチュア、ユニリーバ、コカコーラ ヨーロッパなど多くの企業のCEOを輩出しています。フランスはかなりの学歴社会なので、出世するには、良い学校出身の方が有利と言う事情もあるようです。
グランゼコールに入るには？
フランス人がグランゼコールに入るためには激しい受験競争があります。正直、日本やその他の国でも受験競争はあるので、グランゼコールだけ特別に激しい競争があるとは思えませんが。ただ、大学受験などがあまりないヨーロッパでは特殊だと思います。
通常の大学であれば、バカロレア（高校卒業資格）に合格したあと、大学に入ります。グランゼコールに入学するには、高校卒業後、2年間のプレパ（Classes Préparatoires aux Grandes Ecoles (CPGE).）という準備過程に進みます。
プレパに行っていた学生によると、勉強漬けの2年間を過ごして大変だったとのこと。プレパ終了後、受験をして合格すればグランゼコールに入ることができます。
最近はプレパ以外のルートも増えてきているようで、大学を卒業してからグランゼコールに入る学生もいます。
グランゼコールのカリキュラムは？
私の通っているグランゼコールは学生は、プレパ出身の学生は3-4年かけて卒業します。フランスではグランゼコールですが、国際的な学位としては修士卒になります。
「高度専門職業人の育成」を理念としているだけあって、実践をかなり重視しており、インターンシップが必須となっています。授業でも、企業からのゲストスピーカーや企業とのプロジェクトなどもあります。
グランゼコールの学費は？
フランスの国立大学は、学費が無料です。しかし、グランゼコールは学費が高いです。例えば私の通っている学校は総額31,600ユーロ(約400万円)です（2018現在）。ヨーロッパ以外出身の学生は学費総額が40,000(約520万)です。
グランゼコールにもランクがある？
グランゼコール内にもランクがあります。例えば、パリ政治学院は名門のグランゼコールと言われています。商業系のグランゼコールでは、1位HEC、2位ESSEC、3位ESCPです。
在学生目線でグランゼコールの印象
私が通っているのは商業系のグランゼコールです。先ほども書いたように、フランスはもしかすると日本以上に学歴社会です。そのため、「この学校でを卒業すれば就職は有利」という考え方が強いように感じます。
卒業生のネットワーク等も強く、有名企業でのインターンシップや就職が得られやすいのは事実です。私自身は、まだ就活はしておらず、フランス語があまり話せないので、不利にはなってしまいますが、フランス人の学生は就職にはそれほど困っていないように見えます。
フランスの学歴主義についてはこちらの記事にて紹介しています。
