私自身ヨーロッパは学歴主義のイメージがなかったのですが、どうやらフランスは日本にも勝る超学歴主義の国です。私もフランスに来るまでは全然知りませんでしたが、フランスに来てから感じたことを中心に紹介したいと思います。
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まず始めに
フランスに来る前に、インターネットで、「フランスにはグランゼコールという大学よりエリートと言われている学校がある」「大企業のお偉いさんや政治家などはグランゼコール出身」というような情報を得ました。グランゼコールについては以下の記事でまとめていますのでご覧ください。
とは言っても、実際はどんなものなのか、あまり想像がつかなったのですが、実際グランゼコールに通っている学生として感じたことを記載したいと思います。
グランゼコールのランキングをかなり気にしている
パリの商業系グランゼコールは数校あるのですが、グランゼコール内にもランキングがあります。私の通っているところは2番手のようですが、このランキングの話題が出てくる確率がかなり高いです。1番の学校に対してのライバル意識が強いですし、3番の学校はちょっと下に見ている感じはあります。
日本でも、同じくらいのレベルの大学を意識したり、シンガポールでもNUSとNTUのように意識したりはあるとは思いますが、感覚として、「かなり意識している」と感じます。
正直、グランゼコールすらよく知らなかった留学生にしてみれば、どうでもいい話なのですが・・・。
インターンシップの給与が在籍校によって異なる
クラスメイトの話になるのですが、インターンシップ先で在籍校によって給与が違うと言っていました。そのクラスメイトはグランゼコールに通っているため、他の大学に通っているインターン生より給与が高いようです。
しかも、数十ユーロなどちょっとの違いではなく、数百ユーロの違いがありました。
在籍校によって、インターン給与を変えているのは一部だとは思いますが、そういう企業もあるのですね。企業としては、グランゼコールの学生は給与をたくさん払わないとなかなかインターンとして来てくれないという事情があるようです。
フランス企業から連絡がくる
こちらは私個人なのですが、フランス企業から面接などの連絡がくることが多いです。
私のシンガポールの大学では、企業宛に学生のレジュメ一覧を送付しています。そのレジュメ一覧から連絡が来たことは数件なのですが、そのうち半数くらいはフランス企業でした。
私の履歴がたまたまフランス企業とマッチしたのか、学校ブランドなのか詳細は不明ですが、学校ブランドも少し影響しているのではと思いました。
フランス人クラスメイトの就活は有利そう
この件は、クラスメイトと話していて思うことなのですが、「就活大変でやばい!」みたいなことはあまり聞きません。この学校にいるから就職は大丈夫というような余裕が垣間見れる気がします。
フランスは失業率が高く2019年で8.8%ほどのようですが、みんな焦りや不安はなさそうと感じます。
ただ、クラスメイトの人間性などにもよるので、本当に就活が余裕なのかはわかりません。
本当に大企業のCEOや政治家はグランゼコール出身ばかりなのか?
ここで、私個人の感想だけではなく、データも見てみたいと思います。
まずは、フランスの大企業上位10企業のCEOの出身校をみてみたいと思います
企業名 | CEO | 出身校 |
Total | Patrick Pouyanné | École Polytechnique (グランゼコール) |
AXA | Thomas Buberl | WHU-Otto Beisheim School of Management |
BNP Paribas | Jean-Laurent Bonnafé | École Polytechnique (グランゼコール) |
Engie | Isabelle Kocher | École normale supérieure (グランゼコール) |
Carrefour | Alexandre Bompard | Sciences Po (グランゼコール) |
Equinor | Eldar Sætre | Norwegian School of Economics |
Crédit Agricole | Philippe Brassac | ENSAE ParisTech (グランゼコール) |
Groupe PSA | Carlos Tavares | École Centrale Paris(グランゼコール) |
Groupe BPCE | François Pérol | HEC Paris (グランゼコール) |
Orange S.A. | Stéphane Richard | HEC Paris (グランゼコール) |
※TOP10リストはWikipediaを参照にしました。(2019年7月現在)
なんと10人中8人はグランゼコール卒業で、グランゼコール卒業ではない2人はフランス人ではありませんでした。
次に歴代大統領5人の出身校をみてみたいと思います。
名前 | 出身校 |
エマニュエル・マクロン | Sciences Po, École nationale d'administration (ENA) |
フランソワ・オランド | HEC Paris, Sciences Po, École nationale d'administration (ENA) |
ニコラ・サルコジ | Université Paris X, Sciences Po(中退) |
ジャック・シラク | Sciences Po, École nationale d'administration (ENA) |
フランソワ・ミッテラン | Sciences Po |
Sciences Po、École nationale d'administration (ENA) 、HEC Parisグランゼコールになります。
全員グランゼコールに行っており、全員Sciences Po、3名はÉcole nationale d'administration (ENA)に行っていますね。
グランゼコールの中でもSciences PoやENAの卒業生でなければ、大統領にはなりづらいのでしょうか。
まとめ
フランスの学歴主義社会について、私の体験やデータをみて考察をしました。
どうやら、フランスはかなりの学歴主義社会であることは間違いなさそうです。